今月の主題 早期大腸癌の深達度診断にEUSと拡大内視鏡は必要か
主題
早期大腸癌の深達度診断におけるEUSと拡大内視鏡の位置づけ―EUSを重要視する立場から
著者:
野村昌史1
泉信一1
三井慎也1
林毅1
河上洋1
網塚久人1
小山内学1
潟沼朗生1
伊藤英人1
渡辺晴司1
吉田晴恒1
高橋邦幸1
桜井康雄1
辻邦彦1
姜貞憲1
真口宏介1
篠原敏也2
斉藤裕輔3
所属機関:
1手稲渓仁会病院消化器病センター
2手稲渓仁会病院病理科
3旭川医科大学第3内科
ページ範囲:P.805 - P.808
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要旨 1997年4月から2000年9月までの期間に経験した大腸癌94例96病変を対象として,内視鏡通常観察単独での深達度診断能と超音波細径プローブ所見を加味した診断能を比較検討した.内視鏡通常観察単独,細径プローブ単独での深達度正診率はそれぞれ81%,77%(描出困難例を除くと94%)であったが,内視鏡通常観察に細径プローブ所見を加味することで正診率は92%へと上昇した.表面型と隆起型に分けて検討したところ,表面型では内視鏡通常観察に細径プローブ所見を加味した正診率は100%であった.一方,隆起型では内視鏡通常観察に細径プローブ所見を加味した正診率は78%であり,隆起型に対する正診率向上が今後の課題と考えられた.