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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻6号

2001年05月発行

文献概要

今月の主題 早期大腸癌の深達度診断にEUSと拡大内視鏡は必要か 主題

早期大腸癌の深達度診断におけるEUSの有用性―通常内視鏡診断との比較:EUSを重要視する立場から

著者: 浜本順博1 平田一郎1 森川浩志1 佐々木伸一1 山内宏哲1 鹿嶽佳紀1 勝健一1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.809 - P.815

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要旨 EUSを施行した早期大腸癌99病変を対象に,EUSの深達度診断能を通常内視鏡(CS)診断と比較した.EUSによる病変描出率は83.8%,描出例での深達度正診率は88.0%であった.EUS描出例でのCSによる深達度正診率は80.7%とEUSより低率であった.形態別の正診率は隆起型,表面隆起型では差はなく,陥凹型でのみEUSがCSに比し高率であった.CSで誤診した15病変中10病変をEUSで正診しえた.その10病変のうちCSで深達度を過大評価し,EUSで正診しえた病変は全例表面型で,逆にCSで過小評価しEUSで浸潤をとらえることにより正診した病変は全例隆起型であった.深達度正診率からみると陥凹型でのみEUSの併用がより正確な深達度診断につながると言えるが,隆起型でも表面構造が保たれた病変ではCS,拡大内視鏡での深達度診断が困難な場合があり,EUSの併用がより有効であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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