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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻7号

2001年06月発行

文献概要

今月の主題 小腸腫瘍―分類と画像所見 主題症例

回腸カルチノイドの1例

著者: 山崎雅彦1 横田広子1 深尾俊一1 中野貞生1 中野浩一郎1 三浦悟1 杉浦博士1 下田忠和2

所属機関: 1中野胃腸病院 2国立がんセンター中央病院臨床検査部病理

ページ範囲:P.907 - P.911

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要旨 患者68歳,女性.1981年ごろより2年間以上にわたり,体重減少と消化管閉塞症状を繰り返す.小腸X線検査にて狭窄病変を認め手術を行った.回腸端より口側120cmに大きさ4cmのカルチノイド腫瘍を認めた.Douglas窩に転移を疑う腫瘤を触知したが,リンパ節,肝には転移はみられなかった.組織学的には典型的なカルチノイド腫瘍で,漿膜浸潤を来していた.一般的な組織化学染色で銀親和性は陽性,免疫染色でセロトニンが陽性であった.Douglas窩転移巣によると思われる疼痛が術後2年以上続き,他因死した.血中セロトニン,一日尿中5-HTT(5 hydroxyindole acetic acid)は全経過中基準値範囲内であった(術後).本症の4cm以下の病変の存在診断は小腸内視鏡や逆行性小腸造影検査が有効と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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