今月の主題 小腸腫瘍―分類と画像所見
主題
小腸悪性リンパ腫の肉眼分類とX線・内視鏡所見―組織分類との関連を中心に
著者:
中村昌太郎1
飯田三雄12
藤澤聖1
松本主之13
末兼浩史4
平川克哉2
松本啓志2
渕上忠彦5
竹下盛重6
岩井啓一郎7
八尾隆史7
所属機関:
1九州大学大学院病態機能内科学
2川崎医科大学消化器内科Ⅱ
3九州大学附属病院光学医療診療部
4山口赤十字病院内科
5松山赤十字病院消化器科
6国立病院九州医療センター検査科病理
7九州大学大学院形態機能病理学
ページ範囲:P.937 - P.952
文献購入ページに移動
要旨 小腸悪性リンパ腫77例の肉眼型およびX線所見を組織像と対比した.組織型は低悪性度MALT型16例,immunoproliferative small intestinal disease(IPSID)2例,マントル細胞型2例,濾胞性4例,二次性びまん性大細胞型15例,一次性びまん性大細胞型18例,Burkitt型5例,リンパ芽球型3例,T細胞性12例であった.肉眼型は隆起型21例,潰瘍型31例,MLP型5例,びまん型9例,混合/その他11例であった.検討可能であった66例のX線所見は,隆起型(8例),重積型(8例),狭窄型(13例),非狭窄型(13例),動脈瘤型(5例),MLP型(5例),びまん型(7例),混合/その他(7例)に分類できた.肉眼型・X線パターンと組織型との間には相関が認められ,動脈瘤型は全例高悪性度B細胞性であった.一方,びまん型はT細胞性またはIPSIDに特徴的で,予後不良であった.47例の症例は内視鏡検査で病変が観察でき,このうち33例で生検診断が可能であった.