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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻7号

2001年06月発行

文献概要

今月の主題 小腸腫瘍―分類と画像所見 主題症例

内視鏡診断しえた小腸T cell系悪性リンパ腫の1例

著者: 佐田美和1 小林清典1 勝又伴栄1 吉澤繁1 五十嵐正広1 西元寺克禮1 三富弘之2

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科 2北里大学東病院病理

ページ範囲:P.953 - P.957

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要旨 患者は45歳,男性.黒色便と下腹部痛が持続するため当院受診.上・下部消化管内視鏡検査で著変を認めないが,貧血が進行するため入院小腸造影では,空腸~回腸の4か所に不整形のバリウム斑を伴う皺襞肥厚像を認めた.小腸内視鏡では,空腸病変は潰瘍を伴う全周性腫瘍で,生検でT cell lymphoma,diffuse,large cell typeと診断した.CHOP療法を施行したところ臨床症状は改善し,小腸造影でも腫瘍はほぼ消失した.退院後1年3か月経過するが再発は認めていない.小腸原発のT cell系悪性リンパ腫はまれであり,確定診断には小腸内視鏡検査が有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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