文献詳細
消化管病理基礎講座
文献概要
杯細胞化生(goblet cell metaplasia)
杯(さかずき)細胞化生は,胃腺窩上皮に単発性~多発性に杯細胞が発生した状態である(Fig. 1a,b).杯細胞は存在するが吸収上皮が不明瞭な化生腺管であり,萎縮性胃炎の進行過程で腸上皮化生に至る先駆病変ととらえることも可能である.杯細胞部分では,腸型形質マーカーであるMUC2免疫染色が陽性となる(従来汎用されていたAlcian blue染色は,固有腺窩上皮にも陽性となる場合があり,特異的とは言い難い).なお“杯細胞”化生の名称は特徴的な形態像,すなわち粘液で膨満した細胞質部分と,それよりも下方で急に細まる細胞核周囲部分とにより杯(ワイングラス)を思わせる輪郭がみられる場合に限って使用されるべきである.
杯(さかずき)細胞化生は,胃腺窩上皮に単発性~多発性に杯細胞が発生した状態である(Fig. 1a,b).杯細胞は存在するが吸収上皮が不明瞭な化生腺管であり,萎縮性胃炎の進行過程で腸上皮化生に至る先駆病変ととらえることも可能である.杯細胞部分では,腸型形質マーカーであるMUC2免疫染色が陽性となる(従来汎用されていたAlcian blue染色は,固有腺窩上皮にも陽性となる場合があり,特異的とは言い難い).なお“杯細胞”化生の名称は特徴的な形態像,すなわち粘液で膨満した細胞質部分と,それよりも下方で急に細まる細胞核周囲部分とにより杯(ワイングラス)を思わせる輪郭がみられる場合に限って使用されるべきである.
掲載誌情報