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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻7号

2001年06月発行

消化管病理基礎講座

潰瘍,胃炎などで用いられる組織所見用語

著者: 西倉健1 渡辺英伸1

所属機関: 1新潟大学医学部病理学第1講座

ページ範囲:P.975 - P.979

文献概要

杯細胞化生(goblet cell metaplasia)

 杯(さかずき)細胞化生は,胃腺窩上皮に単発性~多発性に杯細胞が発生した状態である(Fig. 1a,b).杯細胞は存在するが吸収上皮が不明瞭な化生腺管であり,萎縮性胃炎の進行過程で腸上皮化生に至る先駆病変ととらえることも可能である.杯細胞部分では,腸型形質マーカーであるMUC2免疫染色が陽性となる(従来汎用されていたAlcian blue染色は,固有腺窩上皮にも陽性となる場合があり,特異的とは言い難い).なお“杯細胞”化生の名称は特徴的な形態像,すなわち粘液で膨満した細胞質部分と,それよりも下方で急に細まる細胞核周囲部分とにより杯(ワイングラス)を思わせる輪郭がみられる場合に限って使用されるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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