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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻8号

2001年07月発行

今月の症例

陥凹面が無構造を呈した分化型粘膜内癌の1例

著者: 中原慶太12 立石秀夫12 鶴田修12 豊永純12 佐田通夫12 孝富士喜久生23 武田仁良23 染矢内記4

所属機関: 1久留米大学医学部第2内科 2久留米大学医学部消化器病センター 3久留米大学医学部外科 4天神クリニック

ページ範囲:P.990 - P.993

文献概要

 〔患 者〕67歳,男性.2000年1月ごろより心窩部に不快感が出現し,天神クリニック受診.上部消化管内視鏡検査にて異常を指摘され,精査加療目的に当科に紹介入院となる.

 〔胃内視鏡所見〕胃前庭部後壁に30mm大の陥凹性病変が認められる(Fig. 1a).色素撒布像(Fig. 1b)では,陥凹縁に不整な棘状変化,蚕食像が目立ち,陥凹周囲にはごく小規模な紡錘形隆起が認められるが,これらは周囲粘膜に類似しており非腫瘍性変化が主体と思われ,総合的に分化型Ⅱcが推定される.深達度診断に関して,明らかな胃壁の伸展不良・硬化所見は認められないものの,陥凹面には薄い白苔が不均一に付着し,むしろ荒廃した無構造な所見を呈しており,陥凹面に一致したsm塊状浸潤は否定できない(Fig. 1c).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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