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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻8号

2001年07月発行

今月の主題 多発食道癌

主題症例

下咽頭癌治療後の経過観察中に異時性多発食道癌および胃癌の発生を認めた1例

著者: 藤城光弘12 山口肇1 矢作直久2 小田一郎1 角川康夫1 乾哲也1 後藤田卓志1 神津隆弘1 小野裕之1 藤井隆広1 榎本祥太郎2 岡政志2 清水靖仁2 中西幸浩3 斉藤大三1 三木一正4 小俣政男2

所属機関: 1国立がんセンター中央病院内視鏡部 2東京大学医学部消化器内科 3国立がんセンター研究所病理部 4東邦大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1062 - P.1066

文献概要

要旨 患者は73歳,男性.1983年,下咽頭癌に対して放射線療法を施行されて完全緩解が得られた.1994年3月,定期検診目的で施行した上部消化管内視鏡検査にて,中部食道後壁に30mm大の表在型食道癌が発見され内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行.1997年3月,EMR瘢痕の近傍前壁に10mm大の,2000年3月,頸部食道後壁に14mm大の表在型食道癌が認められ,いずれもEMRを施行した.2000年3月,胃体上部大彎に11mm大の早期胃癌も認められ,同部に対してもEMRを施行した.本症例は,頭頸部癌患者や食道癌患者における異時性重複・多発癌の早期発見および治療に,上部消化管内視鏡検査による定期的な経過観察が重要であることを示す貴重な症例と思われ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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