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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻8号

2001年07月発行

文献概要

今月の主題 多発食道癌 主題症例

2か所に同時多発を認めた食道扁平上皮癌の1例

著者: 山田弘徳1 荒井順也1 小川英風1 大塚誉子1 高木直行1 池延東男1 丸山雅一1 市川平三郎1 池上雅博2 幕内博康3 鬼島宏4

所属機関: 1早期胃癌検診協会中央診療所 2東京慈恵会医科大学病理 3東海大学医学部外科 4東海大学医学部病理

ページ範囲:P.1067 - P.1072

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要旨 患者は48歳,男性.タバコ20~30本/日・アルコール2~3合/日25年間.祖母に喉頭癌.1996年10月検診の上部消化管X線検査の結果,食道の粘膜模様異常を指摘された.内視鏡検査を施行し,Utに発赤調で中央に結節状隆起を伴う長径約4~5cm,ほぼ全周性の0-Ⅱc+Ⅱa型病変と,Mtに血管透見不良を示す長径約2cmの0-Ⅱb型病変を認めた.X線・内視鏡検査で主病変の深達度SM2,副病変m1と診断された.切除標本では,主病変は43×38mm,組織学的に角化のない低分化型扁平上皮癌が粘膜下層に広範に浸潤し,リンパ管侵襲が高頻度に認められた(sm3,ly3,v0).副病変は16×12mm,粘膜内病変であった(m1,ly0,v0).病変周囲粘膜にはdysplasic squamous epitheliumが広範囲に存在していた.本症例は多中心性に発生した同時多発の扁平上皮癌と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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