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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻8号

2001年07月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

副病変を伴い多彩な肉眼所見を示した表層拡大型食道表在癌の1例

著者: 藤澤貴史1 大須賀達也1 坂口一彦1 阪本哲一1 前田哲男1 大西裕1 黒田祥二1 豊田昌徳1 前田光雄1 宮本勝文2 瓦家伸明2 楠本長正2 西上隆之3

所属機関: 1石川島播磨重工業健康保険組合播磨病院内科 2石川島播磨重工業健康保険組合播磨病院外科 3兵庫医科大学第2病理

ページ範囲:P.1081 - P.1088

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要旨 患者は57歳,男性.肺炎にて入院となった。食道精密X線および内視鏡では中部食道に全周性に大小様々な顆粒や結節から成る表層拡大型病変を認め,目立った結節状隆起が3か所(口側より順に〔結節A,B,C〕)に認められた.ヨード染色では全周,長軸方向約5cmにわたりヨード不染で,本病変の口側に約5mmのヨード不染帯も認めた.トルイジンブルー染色は結節状隆起の表面性状の描出に有効であった.広義の表層拡大型食道癌,〔結節B,C〕でsm浸潤と診断し,3領域リンパ節郭清を伴う食道亜全摘出術を施行した.切除標本では中部食道に64×53mmの表層拡大型病変とその口側にごくわずかに赤色調を示す微小病変を認めた.病理組織学的には,①pType 0-Ⅰp+Ⅱa+Ⅱc,pT1b(sm3),moderately(>well)differentiated SCC,infα,ly1・v0,M0,pIM0,ie(+),pN2(#1,108+),Mt,circ,64×53mm,pStage Ⅱ,②pType 0-Ⅱc,Tis(m1),SCC,Mt,5×4mmの多発食道癌であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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