icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻8号

2001年07月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

十二指腸reactive lymphoreticular hyperplasia(RLH)の1症例

著者: 眞部紀明1 北台靖彦1 田中信治1 吉田成人2 楠裕明2 河本邦彦2 吉原正治2 春間賢2 隅井浩治2 茶山一彰2 金隆史3 澤村明廣3 峠哲哉3 嶋本文雄4 日高徹5 木村敏久6

所属機関: 1広島大学医学部光学医療診療部 2広島大学医学部第1内科 3広島大学原爆放射能医学研究所腫瘍外科 4広島大学医学部附属病院病理部 5広島市立安佐市民病院内科 6木村胃腸科病院

ページ範囲:P.1089 - P.1095

文献購入ページに移動
要旨 患者は52歳,女性.心窩部痛の精査のため近医で上部消化管内視鏡検査を施行した際,十二指腸球部に多発性の不整形びらんを認め当院を紹介受診した.胃X線検査で十二指腸球部に淡いバリウム斑を散在性に認め,上部消化管内視鏡検査では同部位に丈の低い扁平隆起と多中心性にひだの集中を認めた.超音波内視鏡検査では病変は第2層の肥厚像として認められ,第3層を圧排する形で低エコー領域としてびまん性に拡がっていた.摘出された病変は3×2.5cmで白色調の低い隆起と周囲のひだの集中から成っていた.病理組織学的には,病変部は粘膜下層を主体とし,リンパ濾胞の形成を伴う異型性のないリンパ球のびまん性増生を呈していた,免疫組織学的検討ではB-cell系マーカー(L26,CD10)はリンパ濾胞内,T-cell系マーカー(UCHL-1,CD5)はリンパ濾胞間のリンパ球に陽性を示した.また病変部におけるIgH-PCR法による遺伝子再構成の検討においても,monoclonalityは証明できなかった.以上の所見より,十二指腸のreactive lymphoreticular hyperplasia(RLH)と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?