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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻8号

2001年07月発行

文献概要

症例

0-Ⅱc型粘膜癌より発育進展したと考えられた表在食道類基底細胞癌の1例

著者: 中島康1 児玉ひとみ1 加藤剛1 出江洋介1 葉梨智子1 吉田操1 門馬久美子2 加藤久人2 船田信顕3 小池盛雄3

所属機関: 1東京都立駒込病院外科 2東京都立駒込病院内科 3東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.1096 - P.1100

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要旨 患者は83歳,女性.上部消化管検査にて,切歯より33~35cm左前壁に18×8mm大の中心に浅い陥凹を伴う隆起性病変(0-Ⅰpl+Ⅱc)を認めた.Lt領域0-Ⅰpl+Ⅱc NOMOPlO Stage Ⅰ,術前組織診断は扁平上皮癌であった表在食道癌に対してEMRを施行した.病理組織学的診断はbasaloid-squamous carcinoma,0-Ⅰpl+Ⅱc,sm2,ly(-),v(-),深部断端(-).0-Ⅱc病変部は0-Ⅰpl病変の頂部に存在する小さな扁平上皮癌であったが,0-Ⅰpl病変である上皮下に広く浸潤する類基底細胞癌との連続性を認めた.本症例は0-Ⅱc病変より発育した0-Ⅰpl病変と考えられ,扁平上皮癌が類基底細胞癌様に分化していく発育進展様式を示唆する症例と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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