icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻9号

2001年08月発行

今月の主題 GIST(gastrointestinal stromal tumor)―概念と臨床的取り扱い

主題

GIST(gastrointestinal stromal tumor)の治療―手術と化学療法における新しい展開

著者: 大谷吉秀1 古川俊治1 久保田哲朗1 吉田昌1 菅沼和弘1 朴景圭1 杉野吉則2 亀山香織3 向井萬起男3 熊井浩一郎4 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学外科 2慶應義塾大学放射線診断科 3慶應義塾大学病理診断部 4慶應義塾大学内視鏡センター

ページ範囲:P.1169 - P.1175

文献概要

要旨 gastrointestinal stromal tumor(GIST)は,数年前まで消化管の平滑筋腫瘍として扱われてきた腫瘍群の過半数を占める.外科的治療について,以前は癌に準じた系統的リンパ節郭清が行われた時代もあるが,今日ではquality of lifeを考慮して,腫瘍を含めた局所切除が適応となる.診断の過程や治療に際して腫瘍細胞の遊離腔内への散布が起こらないよう配慮する.GISTに対する化学療法の有効性が確立していないので,進行例においても,転移巣,他臓器浸潤部分を含めた外科的切除が第一選択となる.最終診断が低悪性度のGISTであっても術後長期にわたる定期的な肝転移,腹膜播種再発に対するスクリーニングは必要である.最近,GISTの原因遺伝子と考えられているc-kitをターゲットにしたtyrosin kinase阻害剤による治療成功例が報告され,GISTの治療戦略に変革を来す可能性もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら