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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻9号

2001年08月発行

今月の主題 GIST(gastrointestinal stromal tumor)―概念と臨床的取り扱い

主題症例

リンパ節転移を認めたGISTの1例

著者: 大重要人1 岩下明徳1 原岡誠司1 内山秀昭2 吉田道夫3

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理 2宗像医師会病院外科 3宗像医師会病院放射線科

ページ範囲:P.1177 - P.1182

文献概要

要旨 患者は72歳,男性.主訴は吐血.内視鏡検査および腹部CT検査で,胃噴門部後壁に粘膜下腫瘍を指摘され,胃全摘術を受けた.摘出腫瘍はSkandalakis分類の混合型発育を示す7×6×5cm大の粘膜下腫瘍で,内腔側突出部中央に1.5×1.0cmの不整な下掘れの強い潰瘍を有していた.病理組織学的に腫瘍は,比較的均一な紡錘形細胞の密な束状・柵状の増殖から成り,一部に大型の異型核を有する細胞を伴っていた.腫瘍細胞には50高視野当たり13個の核分裂像がみられ,また,左噴門リンパ節に転移を認めた.腫瘍細胞は免疫組織化学的にはc-kit protein,CD34,および筋原性マーカーのcaldesmonが陽性であった.以上の所見より筆者らの基準に従いgastrointestinal stromal tumor(GIST),smooth muscle type,malignantと診断した.GISTの肝転移はしばしばみられるが,リンパ節転移を認めた報告は少なく本症例はまれな症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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