icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻9号

2001年08月発行

早期胃癌研究会症例

拡大観察にて術前に腸結核に合併した上行結腸癌と診断可能であった1例―自験例および本邦報告70例の検討

著者: 加藤茂治12 吉野孝之1 佐野寧1 傅光儀1 長島文夫1 吉田茂昭1 落合淳志3

所属機関: 1国立がんセンター東病院内視鏡部消化器科 2加藤胃腸科内科クリニック 3国立がんセンター東病院腫瘍病理部

ページ範囲:P.1201 - P.1207

文献概要

要旨 患者は78歳,女性.血便にて近医を受診した.注腸検査にて異常を指摘され,精査目的に当院紹介となる.注腸X線精査で横行~上行結腸にかけて腸管の短縮,変形および回盲弁の破壊も認めることから腸結核と診断したが,本病変中肝彎曲部に壁変形を伴う陥凹性病変を認めた.大腸内視鏡検査では,①陥凹性病変を構成する潰瘍辺縁が不整であること,②拡大観察にて,潰瘍辺縁にV型pitが観察されたことから大腸結核に合併した大腸癌と診断した.病変は38×27mm大,中分化腺癌,深達度ssであった.腫瘍部周辺部に,多数の類上皮肉芽腫を伴う粘膜下層の強い線維化と固有筋層の肥厚を認め,病理学的にも腸結核に合併した大腸癌と診断した.拡大内視鏡は腸結核症に合併した大腸癌の肉眼診断にも有用と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら