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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻1号

2002年01月発行

今月の主題 食道m3・sm1癌の診断と遠隔成績

主題

食道m3・sm1癌の質的・量的X線診断

著者: 八巻悟郎1 長浜隆司1 中島寛隆1 大倉康男2

所属機関: 1東京都がん検診センター消化器科 2埼玉県立がんセンター臨床病理部

ページ範囲:P.19 - P.32

文献概要

要旨 1994年から2001年までの7年間に当センターで診断され,十分な病理学的検索がなされたm3・sm1例は11例あった.外科的切除された8例は全例リンパ節転移を認めなかった.肉眼型は0-Ⅱc型が7例,0-Ⅱc+Ⅱa型が1例であった.深達度診断をみると,0-Ⅱc型の7例中,病変の中に凹凸が目立った3例は診断でき,0-Ⅱc+Ⅱa型の例は肉眼型だけからm3以深と診断しえた.一方,深達度診断が困難であった例の肉眼型は全例0-Ⅱc型であり,m3の例では,病変の中に目立った凹凸を指摘できなかった.m3に浸潤した部の最長径を計測したところ,深達度診断が可能であった例は3~14mm(平均7.25mm),深達度診断が困難であった例はO.5~17mm(平均5.5mm)であった.sm1の例では,突然sm1に浸潤する例はなく,sm1の周囲にはm3があり,m3の一部でsm1に浸潤する様式であった.X線学的にm3・sm1の診断は,粘膜像では透亮像とバリウム斑の組み合わせ,辺縁像では凹凸不整の程度の分析で可能になる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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