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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻1号

2002年01月発行

文献概要

今月の主題 食道m3・sm1癌の診断と遠隔成績 主題

食道m3・sm1癌の質的・量的内視鏡診断

著者: 門馬久美子1 吉田操2 山田義也3 荒川丈夫1 雨宮こずえ1 鈴木瑞佳3 小澤広3 加藤久人3 榊信廣3 出江洋介2 葉梨智子2 大橋健一4 船田信顕4

所属機関: 1都立駒込病院内視鏡科 2都立駒込病院外科 3都立駒込病院内科 4都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.33 - P.46

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要旨 m3癌50例(外科切除16例,粘膜切除34例)と,sm1癌22例(外科切除8例,粘膜切除14例)を検討対象とした.①リンパ節転移は,m3癌6%,sm1癌11%であった.脈管侵襲陽性率は,m3癌外科切除56%に対し粘膜切除29%,sm1癌外科切除88%に対し粘膜切除64%と,いずれも粘膜切除のほうが低率であった.②m3・sm1癌とも外科切除例は,隆起・陥凹が目立つため深達度を深く,逆に,粘膜切除例は,浅い陥凹が主体で,陥凹内の凹凸が少ないため,浅く診断する症例が多かった.③粘膜切除m3癌で,浅く診断した症例の半数はm3浸潤部が微小浸潤例であり,6mm以上の浸潤例はなかった.逆に,6mm以上の浸潤例では,m3以深の診断は全例可能であった.④m3浸潤部の形態は,陥凹内隆起(59%),辺縁隆起(3%),陥凹内のより深い陥凹(10%),微小浸潤のため形態不明(28%)であった.⑤m3浸潤範囲と脈管侵襲の関係では,浸潤部が3mm以下では脈管侵襲陰性,4.5mm以上では50%が脈管侵襲陽性であり,m3浸潤範囲の増大とともに脈管侵襲陽性率も高くなった.⑥粘膜切除m3癌にて脈管侵襲陽性10例中9例(90%)はm3以深と診断でき,粘膜切除前に脈管侵襲陽性の可能性は推測できた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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