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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻1号

2002年01月発行

文献概要

今月の主題 食道m3・sm1癌の診断と遠隔成績 主題

食道m3・sm1癌の治療成績―EMRと手術の長期予後

著者: 幕内博康1 島田英雄1 千野修1 田仲曜1 木勢佳史1 西隆之1 釼持孝弘1 姫野信治1 田島隆行1 山本壮一郎1 原正1 三朝博仁1

所属機関: 1東海大学医学部外科

ページ範囲:P.53 - P.63

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要旨 m3・sm1食道癌の予後は良好で,5年生存率はEMR施行例79例で88.0%,外科的根治術56例で95.2%であったが,他病死・他癌死を含めると,それぞれ62.2%,80.0%であった.ly(+)が30.4%,n(+)が15.5%に認められたが,外科的根治術施行例でみると,転移リンパ節1個のみが73.3%を占めた.EMR後の局所再発は8.2%に認められたが予後に影響しなかった.リンパ節再発は6.8%に認められ,発見時にはいずれも切除不能であった.EMR施行後の病理検索でly(+)であったときn(+)となる可能性は33.3%であった.m3・sm1癌でEMR可能と診断された症例でも,リンパ節転移を有している可能性が6.8%はあることを念頭に置き,6か月ごとのCTとEUSによる経過観察が必要であるとともにさらなるリンパ節転移診断能の向上が望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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