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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻1号

2002年01月発行

今月の主題 食道m3・sm1癌の診断と遠隔成績

主題研究

食道m3・sm1癌の病態―分子生物学的特徴

著者: 中野静雄1 松本正隆1 崎田浩徳1 中島三郎1 貴島文雄1 大脇哲朗1 夏越祥次1 馬場政道1 愛甲孝1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.64 - P.70

文献概要

要旨 m3・sm1食道癌は表在食道癌の発育進展過程において特異な時期にあるものと考えられ,その分子生物学的特性と病態を把握することは治療方針選択の上で重要である.臨床的にはリンパ節転移との関連が最も重要と考えられ,その危険因子についてm3・sm1食道癌51例におけるDesmoglein 1,Cyclin D1,p53の発現より免疫組織学的,臨床病理学的に検討した.Desmoglein 1発現陰性症例の37.5%,減弱症例の15.4%にリンパ節転移を認め,発現良好例に比べ高率であった.転移危険因子は,Desmoglein 1発現陰性または減弱,1y陽性,術前深読みと考えられた.これらの因子を認めないm3・sm1癌症例では積極的に食道を温存した治療法が可能と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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