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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻1号

2002年01月発行

文献概要

今月の主題 食道m3・sm1癌の診断と遠隔成績 主題症例

術後6年で頸部リンパ節再発したm3食道表在癌の1例

著者: 藤原由規1 西上隆之2 中川一彦1 中尾宏司1 伊藤令子1 西脇学1 山村武平1 上紺屋憲彦3 中尾宣夫3

所属機関: 1兵庫医科大学第2外科 2兵庫医科大学第2病理 3兵庫医科大学放射線科

ページ範囲:P.81 - P.85

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要旨 患者は58歳,男性.Mt領域,0-Ⅱc型食道表在癌にて,52歳時(1993年1月),右開胸食道亜全摘,胸骨後胃管再建術施行,リンパ節は中縦隔のみpick up郭清した.病理組織学的には,扁平上皮癌,深達度m3でありリンパ節転移は認めなかった.術後経過順調で退院,以後近医で通院加療中であった.1999年に入り頸部リンパ節腫脹に気づき当科紹介受診.頸部CTで左頸部から一部上縦隔に及ぶリンパ節腫脹を認め,食道癌頸部リンパ節再発と診断し,5回の化学療法および化学放射線療法を施行し,約2年間の長期のNCを維持できた.本症例は,m3食道癌頸部~上縦隔リンパ節再発症例であり,手術時の上縦隔リンパ節郭清の重要性を再認識させられるとともに,化学療法および化学放射線療法が延命に寄与できたことを証明した症例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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