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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻1号

2002年01月発行

文献概要

今月の主題 食道m3・sm1癌の診断と遠隔成績 主題症例

深達度m3で,EMR施行4年後にリンパ節転移を来した1症例

著者: 山田義也1 門馬久美子2 吉田操3 小澤広3 榊信廣1 雨宮こずえ1 荒川丈夫2 葉梨智子3 大橋健一3 船田信顕4

所属機関: 1都立駒込病院内科 2都立駒込病院内視鏡科 3都立駒込病院外科 4都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.87 - P.92

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要旨 患者は79歳,男性.検診で食道病変を指摘され,他院を受診.手術を勧められたが,EMR希望で当院を受診.術前診断は深達度m3であったが,陳旧性肺結核による肺機能障害と本人の希望でEMRを施行した.組織所見にて0-Ⅱc,深達度m3,ly(+),v(+)のため,補助療法として,化学療法を行った.6~12か月ごとの超音波,CT,内視鏡検査による経過観察を行っていたが,3年目に相当する1年間は,来院しなかった.EMR後4年目に嗄声が出現し,リンパ節再発が発見された.リンパ節再発に対し,放射線・化学療法を行うも,リンパ節は縮小せず,EMR後4年10か月,再発後11か月で死亡した.深達度m3・sm1にてEMRを行った症例では,少なくとも6か月ごとに検査を行い,5年以上の長期にわたる経過観察が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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