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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻1号

2002年01月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

発症初期から典型像形成に至る経過を観察しえたcap polyposisの1例

著者: 清水誠治1 木本邦彦1 岸本光夫2 奥山祐右3 藤本荘太郎3 細川洋平4

所属機関: 1大阪鉄道病院消化器内科 2大津市民病院病理 3京都第一赤十字病院消化器科 4京都第一赤十字病院病理

ページ範囲:P.103 - P.108

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要旨 患者は49歳,女性.下痢を主訴に受診した.大腸内視鏡で中部~上部直腸に広範な発赤とリンパ濾胞と考えられる白斑の多発を認めた.10か月後,再度下痢のため行った大腸内視鏡では,直腸に不整形の発赤がみられたが初回よりは範囲が縮小していた.20か月後に再び下痢増悪のため行った大腸内視鏡では,中部~上部直腸に背の低い隆起が多発し,表面に付着した粘液を除去すると発赤したびらん面が現れた.生検で確診がつかずEMRを行った結果,腺管の過形成と粘膜表層の肉芽組織がみられcap polyposisと診断した.本症の初期像から典型的病像が完成されるまで追跡された症例の報告はなく,貴重な症例と考えられたので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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