icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻1号

2002年01月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

多発粘膜下腫瘍様形態を呈した胃リンパ球浸潤性髄様癌の1例

著者: 太田智之1 村上雅則1 折居裕1 村松司1 伊藤貴博1 佐藤龍1 三好茂樹1 千葉篤1 藤井常志1 大田人可1 櫻井宏治2 里悌子2 斉藤裕輔3 高後裕3

所属機関: 1旭川厚生病院消化器科 2旭川厚生病院病理 3旭川医科大学第3内科

ページ範囲:P.109 - P.115

文献購入ページに移動
要旨 患者は50歳,男性.検診で異常を指摘され当科を受診した.胃X線造影,内視鏡検査で胃体中部~上部前壁に粘膜下腫瘍様隆起が約10cmにわたり非連続性に多発し,隆起の一部に浅い陥凹所見と潰瘍瘢痕を伴っており上皮性の所見としてとらえられた.超音波内視鏡所見では,粘膜下層を中心に濾胞様構造をとる比較的強い低エコーの腫瘍が第4層まで及んでいた.胃全摘術を施行した結果,病理組織学的には深達度MPの低分化型腺癌でいわゆるリンパ球浸潤性髄様癌であり,脈管侵襲やリンパ節転移は認めなかった.またEBER(Epstein-Barr virus encoded RNA)-1 in situ hybridization陽性でありEBウイルス関連胃癌と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?