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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻1号

2002年01月発行

症例

上腸間膜動脈主幹部閉塞による広範狭窄型虚血性小腸炎の1例

著者: 大出貴士1 小松修1 矢沢正信1 岩村文彦1 中村昭則1 相澤万象1 井上憲昭1 小口和浩2 小松誠3 山岸喜代文3 安達亙4 玉井千里5 池田修一6

所属機関: 1富士見高原病院内科 2富士見高原病院放射線科 3富士見高原病院外科 4信州大学医学部附属病院第2外科 5信州大学医学部附属病院中央検査部 6信州大学医学部附属病院第3内科

ページ範囲:P.117 - P.122

文献概要

要旨 患者は69歳,男性.主訴は腹痛と水様下痢.急性膵炎を疑い,大量輸液を中心とした保存的加療を行い症状はいったん軽快した.しかし経口摂取開始後に腸閉塞症を呈したため,経口小腸造影および腹部血管撮影を施行した.この結果,上腸間膜動脈主幹部閉塞による広範な狭窄型虚血性小腸炎と診断し,小腸亜全摘術を施行した.本例は腸管の狭窄範囲が4mと極めて長い点が特徴的であった.上腸間膜動脈主幹部の閉塞による広範な狭窄型虚血性小腸炎の報告は極めて少ない.本例は,通常であれば急性期に広範腸壊死に進展しうる病態を免れ,慢性期に虚血性小腸狭窄を生じたまれな症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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