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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻10号

2002年09月発行

文献概要

今月の主題 食道sm癌の再評価―食道温存治療の可能性を求めて 主題

食道sm癌に対する食道温存治療の可能性―病理の立場からの検討

著者: 真能正幸1 上堂文也2 石黒信吾1 春日井務1 小柳由美子1 土岐祐一郎3

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理細胞診断科 2大阪府立成人病センター消化器内科 3大阪府立成人病センター消化器外科

ページ範囲:P.1257 - P.1262

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要旨 食道表在癌手術症例(sm2・3癌)49例を対象に,臨床病型,病巣の縦径,横径,縦径と横径の積,癌巣厚,sm浸潤長,sm浸潤幅,sm浸潤長とsm浸潤幅の積,癌層から固有筋層までの距離,異型度,簇出,脈管侵襲,リンパ節転移および転移部位について検討した.横径(p<0.05)以外の諸計測値にリンパ節転移陽性群と陰性群間に差は認められなかった.臨床病型では,純粋な隆起型9例ではリンパ節転移陰性であったが,0-Ⅲ型では3例全例にリンパ節転移を認め,臨床病型と転移との関連が示唆された.しかし,他にはリンパ節転移の有力な指標を認めなかった.sm2・3癌ではリンパ節転移と関連した因子が少ないため,EMRを主体とした食道温存治療の適応は低く,別の治療戦略が必要であると推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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