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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻10号

2002年09月発行

文献概要

今月の主題 食道sm癌の再評価―食道温存治療の可能性を求めて 主題

食道sm癌に対する食道温存治療の可能性―外科の立場からの検討

著者: 宇田川晴司1 堤謙二1 木ノ下義宏1 上野正紀1 鶴丸昌彦2

所属機関: 1虎の門病院消化器外科 2順天堂大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1294 - P.1298

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要旨 食道sm癌の90%近くの症例でly,v等の予後不良関連因子が陽性であるが,これに対するD2,3郭清術の5生率は72.6%,disease specific survivalが81.8%で,D0,1郭清術の40.2%,59.8%より明らかに良好であった.sm癌の中には非手術的な局所治療が根治的な症例もあり,リンパ節転移があっても化学・放射線同時併用療法等で根治できる症例もあるが,過去の成績にはselection biasがあり手術と直接比較できない.sentinel node navigation surgeryも注目されるが技術的にも理論的にも更なる検討を要する.食道sm癌に対する標準治療は現在もその確実性から定型郭清を伴う食道切除再建術であるが,QOL向上の観点から食道温存治療の成績向上と食道切除再建術との客観的比較が望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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