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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻10号

2002年09月発行

今月の主題 食道sm癌の再評価―食道温存治療の可能性を求めて

主題症例

non-Hodgkin's lymphoma(NHL)や慢性関節リウマチ(RA)を伴いEMR施行した食道sm2癌の1例

著者: 星野敏彦1 宮崎信一1 青木泰斗1 中島光一1 指山浩志1 赤井崇1 平山信男1 石川千佳1 上里昌也1 軽部友明1 中島和恵1 舟波裕1 鍋谷圭宏1 島田英昭1 松原久裕1 岡住慎一1 落合武徳1 菱川悦男2 神津照雄2

所属機関: 1千葉大学医学部先端応用外科 2千葉大学医学部光学医療診療部

ページ範囲:P.1315 - P.1319

文献概要

要旨 患者は67歳,女性.前切歯列から20cmの左壁に長径約2cmの0-Ⅱc病変を認め,周堤部は隆起していた.トルイジンブルー染色像では,陥凹部は淡染するのみであり,トルイジンブルー・ヨード二重染色では,陥凹部はヨード不染である一方,周囲の隆起部はヨードで染色され,畳目が貫かず,腫瘍が周堤部で粘膜下に浸潤する所見であることと,EUSの結果も合わせ深達度sm2と診断した.またEUS,CTでは縦隔内のリンパ節転移は認められなかった.既往歴にNHL,RAがあり,全身の免疫能が低下していたためEMRが選択された.1997年11月,EMRT法で病変を一括切除した.病理ではpT1b(sm2),ly(+),v(+),断端(-)であった.全身状態,既往歴等を考慮し手術や放射線化学療法などの追加治療は行われなかった.以後外来で内視鏡,EUS,頸腹部超音波で定期的に経過観察されているが,EMR後4年経過した2001年11月現在,局所再発リンパ節転移ともに認められていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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