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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻10号

2002年09月発行

今月の主題 食道sm癌の再評価―食道温存治療の可能性を求めて

主題症例

EMRを施行した食道sm2癌の1例

著者: 阿美克典1 河野辰幸1 永井鑑1 西蔭徹郎1 中島康晃1 川田研郎1 竹下公矢2 熊谷二朗3

所属機関: 1東京医科歯科大学食道胃外科 2東京医科歯科大学光学医療診療部 3東京医科歯科大学病理部

ページ範囲:P.1321 - P.1326

文献概要

要旨 患者は57歳,男性.食道症状なし.健康診断の上部消化管造影検査で食道に異常を発見され,内視鏡検査により食道癌との診断を受けた.精密検査により胸部下部食道癌(Lt 0-Ⅱa+0-Ⅱc,深達度m3,転移なし)と判断して,informed consent下に内視鏡的粘膜切除術を施行した.切除組織の病理学的検索で明らかな脈管侵襲は認めなかったものの,固有食道腺直下まで癌巣は拡がり,深達度sm2と診断した。また,腫瘍は上皮下粘膜固有層内を伸展しており,口側に癌遺残が疑われた.十分な診断情報を提供するとともに追加治療を勧めたが,患者本人の意志により厳重に経過観察することとなった.内視鏡,CT,EUS,腫瘍マーカーなどによる検索を続けているが,術後約3年半の現在まで再発を認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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