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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻10号

2002年09月発行

今月の主題 食道sm癌の再評価―食道温存治療の可能性を求めて

主題症例

放射線・化学療法にて著効,5年生存中の0-Ⅱc型食道粘膜下層癌(sm3)の1例

著者: 門馬久美子1 吉田操2 山田義也3 加藤久人3 加澤玉恵1 雨宮こずえ1 荒川丈夫1 出江洋介4 葉梨智子5 唐澤克之6 大橋健一7 船田信顕7

所属機関: 1東京都立駒込病院内視鏡科 2東京都立墨東病院外科 3東京都立駒込病院内科 4東京都立駒込病院外科 5板橋中央総合病院外科 6東京都立駒込病院放射線科 7東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.1327 - P.1332

文献概要

要旨 症例は71歳,女性.1997年1月人問ドックの内視鏡検査にて食道癌を指摘.内視鏡検査では切歯列より28~34cmに1/2周性の0-Ⅱc病変あり.隆起成分が広範に認められ,深達度sm3と診断.病変口側には壁内転移も認め,生検では低分化~中分化型扁平上皮癌であった.食道造影検査では,胸部中~下部食道に長径約6cm,1/2周性の0-Ⅱc病変あり.陥凹内に粗大顆粒状隆起があり,同部の壁に硬化所見を認め,深達度sm3以上と診断.頸部超音波検査にて,左鎖骨上窩にリンパ節転移が疑われた.①壁内転移を有する0-Ⅱc型食道癌で,深達度sm3以深,②組織学的には低分化~中分化型扁平上皮癌,③頸部リンパ節転移が疑われる病変,以上の点から放射線・化学療法を選択.放射線はlong-Tで70Gy照射,しかし,化学療法はCDDP15mgにて白血球低下のため中止.治療終了時には,病巣は平坦化していた,治療後5年経過した現在,再発なく健在である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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