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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻10号

2002年09月発行

今月の主題 食道sm癌の再評価―食道温存治療の可能性を求めて

主題症例

食道sm2/sm3癌に対して放射線化学療法を行い5年以上経過している1例

著者: 木ノ下義宏1 宇田川晴司1 堤謙二1 上野正紀1 峯慎二1 的場周一郎1 早川健1 松田正道1 橋本雅司1 澤田寿仁1 渡邊五朗1 星原芳雄2

所属機関: 1虎の門病院消化器外科 2虎の門病院消化器内科

ページ範囲:P.1333 - P.1337

文献概要

要旨 リンパ節転移を伴う食道sm2/sm3癌に対して放射線化学療法が有効であった症例を経験したので報告する.患者は67歳,男性.食道Mtの0-Ⅰ+Ⅱc(sm2/sm3)で101L,Rにリンパ節転移が認められた.患者はQOLを重視し手術を拒否したため放射線化学療法を選択した.頸部から主病巣下端までのT字照射66Gy,CDDP10mg/日×5日×4週(合計200mg)を行い,さらに10Gyの腔内照射を追加した.主病巣は潰瘍瘢痕となりCRと判定されたが,101R(17×10mm),L(10×5mm)のリンパ節はそれぞれ12×7mm,5×4mmに縮小したものの残存した.その後徐々に縮小し101Rは1年半で消失した.4年半後切歯より21cmに0-Ⅱc病変が認められ,EMRを施行した〔m1,VM(-),LM(-),ly0,v0〕.初療より5年経過し,現在再発の兆候なく生存中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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