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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻10号

2002年09月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

十二指腸球部に発生した4cm大のBrunner腺過形成の1例

著者: 吉田暁正1 泉信一1 野村昌史1 小泉一也1 三井慎也1 後藤充1 林毅1 河上洋1 越川均1 田中義規1 潟沼朗生1 高橋邦幸1 伊藤英人1 吉田晴恒1 渡辺晴司1 桜井康雄1 姜貞憲1 辻邦彦1 真口宏介1 篠原敏也2

所属機関: 1手稲渓仁会病院消化器病センター 2手稲渓仁会病院病理

ページ範囲:P.1343 - P.1347

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要旨 患者は55歳,女性.心窩部痛を主訴に当センター外来を受診,上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部に巨大な隆起性病変を認めたため入院となった.上部消化管造影検査にて十二指腸球部にほぼ内腔全体を占める大きさ約4cmの亜有茎性の粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.腹部CT検査では,病変は動脈相,平衡相ともに肝臓と同程度の造影効果をもつ辺縁平滑な類円形の腫瘤として描出された.超音波内視鏡検査を施行したところ,病変は第2~3層に主座をもつやや高エコーの充実性腫瘤であり,内部に囊胞性変化をうかがわせる低エコースポットを認めた.以上の画像所見から十二指腸球部に発生した巨大な粘膜下腫瘍と診断し,心窩部痛の症状を有していたため腹腔鏡補助下の十二指腸切開腫瘤核出術を施行した.病理組織学的にはBrunner腺が粘膜下層を主体に増殖していたが,明らかな異型を認めずBrunner腺過形成と最終診断した.Brunner腺過形成は十二指腸粘膜下腫瘍の鑑別診断の1つとして重要であり,その画像所見を中心に報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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