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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻10号

2002年09月発行

早期胃癌研究会症例

虫垂重積を形成した虫垂子宮内膜症の1例

著者: 入口陽介1 細井董三1 山村彰彦2 中村尚志1 中井呈子1 大浦通久1 小田丈二1 水谷勝1 篠原知明1 知念信昭1 益満博1 山田耕三1 岡田利邦1 高橋直樹3 松本潤3 由里樹旺3 南智仁3 中橋栄太4

所属機関: 1多摩がん検診センター消化器科 2多摩がん検診センター検査科 3東京都立府中病院外科 4熊本赤十字病院消化器内科

ページ範囲:P.1349 - P.1356

文献概要

要旨 患者は63歳,女性.大腸がん検診で便潜血検査陽性を指摘され当センターを受診注腸X線検査では,短縮した虫垂内に芋虫状の細長い大きさ約2cmの隆起性病変を認めた.内視鏡検査では,虫垂入口部には異常所見を認めなかったが,生検鉗子を用いて入口部を広げると,発赤した表面平滑な隆起性病変が蠕動に伴って虫垂口から盲腸に脱出するのが認められた.超音波内視鏡および造影CT検査を行ったが質的診断には至らず,虫垂原発の粘膜下腫瘍であるが,右下腹部の慢性的な鈍痛の原因になりうることや悪性も完全には否定できないと本人および家族に説明し,腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.病理組織学的検討から,虫垂体部に発生した子宮内膜症が虫垂重積を来し,それによってポリープ状の粘膜下腫瘍様病変が形成されたものと診断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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