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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻10号

2002年09月発行

症例

生検で消失した微小食道癌の1例

著者: 高柳典弘12 古川孝広2 西堀佳樹2 小野寺義光2 佐川保1 平山泰生1 辻靖1 坂牧純夫1 高梨訓博3 村瀬和幸3

所属機関: 1東札幌病院消化器科 2日鋼記念病院内科 3札幌医科大学医学部第4内科

ページ範囲:P.1357 - P.1360

文献概要

要旨 症例は75歳,男性.上腹部痛の精査にて施行された内視鏡検査にて胸部中部食道に約5mmの不整形の発赤を伴う0-Ⅱc病変が認められ,拡大内視鏡観察により病変の部位を可能な限り同定した上で生検を行った.生検組織は,中分化型の扁平上皮癌であり,正常な食道重層扁平上皮によって完全に囲まれていた.残存病変の可能性を念頭に置き内視鏡的粘膜切除術を追加したが,切除標本には,異型再生上皮をわずかに認めるのみで癌はみられなかった.以上の結果から生検のみで完全摘除されたものと考えられた.拡大内視鏡による詳細な観察は,微小食道癌の診断,治療において有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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