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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻11号

2002年10月発行

文献概要

今月の主題 消化管のvirtual endoscopy 主題

Crohn病におけるvirtual endoscopyの現状と展望

著者: 松井敏幸1 大田恭弘1 小野広幸2 山口明子1 別府孝浩1 村上右児1 櫻井俊弘1 八尾恒良1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院放射線科

ページ範囲:P.1411 - P.1420

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要旨 virtual endoscopy(VE)は主として大腸の腫瘍性病変を発見するための非侵襲的方法として発達してきた.CT機器の進歩により有力な検査方法となりつつある.しかし,炎症性疾患にはaxial CTは多用されるもののVEの有用性は確立されておらず,むしろX線造影や内視鏡検査の優位性が再確認されている.Crohn病(CD)は多様で,潰瘍と隆起(敷石像)に加え狭窄や瘻孔が頻発する.また,腸壁の肥厚,炎症性腫瘤,脂肪織の炎症・増大や膿瘍などの腸管外の合併症を伴うことが多い.これらの病変のうちどの病変にVEが有用であるのか自験例と文献例を総説的に解析した.今回,自験例の成績からCDの大腸狭窄性病変に対しVEが有用であることが確認されたが,ルーチン検査とはなりえない事実も指摘される.CD病変にはaxial CTによる評価が多く検討されているが,VEによるCD病変の検討は数少ない.しかも,VEによるCD病変の診断精度は高くないとされている.更なるCT機器の進歩によりCDの潰瘍性病変の診断手順が確立されるとVEが多用される可能性はある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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