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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻11号

2002年10月発行

今月の主題 消化管のvirtual endoscopy

主題

virtual endoscopyの現状と展望―早期胃癌の描出

著者: 桑山肇1 飯室護1 高田博信1 高橋盛男1 野崎美和子2 山口真彦3 森吉臣4

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院消化器内科 2獨協医科大学越谷病院放射線科 3獨協医科大学越谷病院外科 4獨協医科大学越谷病院病理

ページ範囲:P.1429 - P.1436

文献概要

要旨 CTやMRで得られる大量のデータをコンピュータで再構成して光学内視鏡のような画像で診断する仮想内視鏡(virtual endoscopy)は,従来の光学内視鏡とは全く異なる多くの可能性があるが,なかでも低侵襲性であることからスクリーニングへの応用が期待されている.特に,大腸癌では二次検診で行われる注腸X線造影検査や光学内視鏡検査の苦痛度が高いことから,欧米では将来の臨床応用に向けたrandomized control trial(RCT)や医療費用に関する具体的な分析が始まっている.胃癌については,X線二重造影法の確立に加え精密検査としての内視鏡検査が被検者へそれほど大きな負担とならないこともあり,スクリーニングへの応用は非現実的である.しかしながら,病変描出能は胃癌でも進行癌では問題なく,早期癌についてもⅡaなどの隆起性病変は光学内視鏡と比べて遜色ない画像が描出できることがretrospectiveな検討で示唆されている.病変の描出といった観点から問題が残っているのはⅡbなどの表面型や周辺粘膜の変化を伴わないⅡcなどの陥凹性病変である.CTによる胃癌診断では,深達度について粘膜表面からの画像からだけではなく,断層像からも多くの情報が得られるので光学内視鏡よりも有利であると言える.今後,RCTで本法のsensitivityやspecificityを客観的に明らかにする必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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