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文献概要
今月の主題 消化管のvirtual endoscopy 座談会
virtual endoscopyに未来はあるか
著者: 田中信治1 利府俊裕2 今井裕3 桑山肇4 飯沼元5 丸山雅一6
所属機関: 1広島大学光学医療診断部 2東芝医用システム社CT核医学 3東海大学医学部放射線科 4獨協医科大学越谷病院消化器内科 5国立がんセンター中央病院放射線診断部 6早期胃癌検診協会
ページ範囲:P.1462 - P.1474
文献購入ページに移動virtual endoscopyのことで何で私が,と思われそうですので少しいきさつを説明します.1994年3月にアメリカ消化器放射線学会(Society of Gastrointestinal Radiologists)が,ハワイのマウイ島で開催されました.そのときの学会長がNorth CarolinaにあるBowman Gray Medical School放射線科教授でDavid Gelfandという人でした,その下にD.L.Viningという若い医師がいまして,non invasive colonoscopy using helical CT scanning and virtual realityという発表をしました.このときモデルはGelfand自身です,“おれの腸を見てくれ”というようなもので,1日中TVで流れていました.これは将来,ものになることはないだろう,と思いました.内視鏡と注腸検査をしのぐものか,同等のものか,という判断はできなかったのですが,それでも物珍しさがありました.この種のテクノロジーの進歩というのはそれまでの仕事の積み重ねられた上にあるのではなくて,不連続に進歩するというところがありますから,何かいいことがあるかもしれないというので東芝さんにお願いをして,900Sという,今では前世紀の遺物みたいなCTですが,これと,無理やり1台借り出したwork stationを使って仕事をし始めました.と言っても私自身ではなくて小倉敏裕君(癌研附属病院放射線診断科)という,シカゴ大学にも留学してPh.D.の資格を持っている技師さんですが,彼がいろいろやってくれて,英文の発表も含めて論文を書きました.そして現在があります.田中先生はvirtual endoscopyなど興味がないという,内視鏡1本やりの若手のエースです.
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