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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻12号

2002年11月発行

文献概要

今月の主題 Ⅰp・Ⅰsp型大腸sm癌 主題

病理からみたⅠp・Ⅰsp型大腸sm癌―Ⅰp・Ⅰsp型(有茎性)大腸sm癌の病理学的特徴と起源粘膜内癌別にみたリンパ節転移

著者: 味岡洋一1 渡辺英伸2 西倉健1 馬場洋一郎2 向井玄2

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・病態病理学分野 2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野

ページ範囲:P.1519 - P.1530

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要旨 外科切除Ⅰp・Ⅰsp型sm癌43例を用いて,起源粘膜内癌別にその病理学的特徴を検討し,sm浸潤量とリンパ節転移との関係を無茎性sm癌と比較した.Ⅰ型起源はⅠp・Ⅰsp型sm癌の86%(37/43),Ⅱ型起源は同14%(6/43)であった.Ⅰ型起源は腺腫を発生母地とし,粘膜内癌の段階で有茎化し,20mm前後の大きさでsmに浸潤したと考えられた.一方Ⅱ型起源はde novo発癌の可能性があり,10mm台でsmに浸潤した後に有茎化したものと,腺腫の偽浸潤と同様の機序でsmに進展したものとがあると推定された.リンパ節転移に対するsm浸潤量安全領域は,無茎性sm癌がVsm(sm垂直浸潤長)<1,000μmであったのに対し,Ⅰ型起源Ⅰp・Ⅰsp癌では3,000μm前後までと考えられた.一方Ⅱ型起源のsm浸潤量安全領域は,現時点では無茎性sm癌と同等にみなしておく必要があることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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