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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻12号

2002年11月発行

今月の主題 Ⅰp・Ⅰsp型大腸sm癌

主題

Ⅰp・Ⅰsp型早期大腸癌の深達度診断―X線を中心として

著者: 小林広幸1 渕上忠彦1 堺勇二1 小田秀也1 大田恭弘1 西山昌宏1 井浦登志実1 佐藤元紀1 西村拓1 王寺裕1 大城由美2

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2松山赤十字病院病理

ページ範囲:P.1541 - P.1553

文献概要

要旨 Ⅰp型とⅠsp型早期大腸癌301病変(Ⅰp型137病変,Ⅰsp型164病変)の深達度診断(m・sm1癌とsm2,3癌の鑑別)についてX線の立場から検討した.Ⅰp型(m癌104,sm1癌26,sm2癌7,sm3癌0)は,頭部の形態から長円形,類円形,短円形,不整形(結節状,杯状)に亜分類し,形態別に深達度診断を行った.長円形はm・sm1癌で,類円形から短円形,さらに不整形になるに従い,sm癌の頻度は増加し頭部形態と悪性度に相関が認められた.また,表面構造が平滑なものはm癌で,結節均一から不均一,結節状粗大になるに従いsm1癌,さらにsm2癌の頻度は増加しており,表面構造を加味すれば,深達度診断により有用であった.さらに,大きさや腺腫成分の有無も考慮すれば深達度診断はより向上した.また,X線計測による頭頸部比(頸部幅/頭部幅×100%)はmからsm1さらにsm2癌へと浸潤が増すにつれ増大し,m・sm1癌とsm2癌で有意差が認められた(p<0.05).以上から,Ⅰp型の亜分類は,深達度診断からみて十分臨床的意義があるものと考えられた.また,X線では,十分伸展された状態で病変頭部と茎が描出できれば,形態分類や表面構造はもとより,その計測値から,より細かな深達度診断が可能になると考えられた.一方,Ⅰsp型(m癌112,sm1癌18,sm2癌22,sm3癌12)では従来の無茎性病変(Ⅰs型)での深達度診断の指標が有用であった.深達度診断からみると,Ⅰsp型はⅠs型に含めて取り扱ってよいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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