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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻12号

2002年11月発行

文献概要

今月の主題 Ⅰp・Ⅰsp型大腸sm癌 主題症例

肝転移再発を認めたⅠp型sm癌の1例

著者: 山本栄篤1 松川正明1 幸田隆彦1 平嶋勇人1 山本亘1 田中孝幸2 横山登2 清水浩二2 熊谷一秀2 西村洋治3 小島敏雄4

所属機関: 1昭和大学附属豊洲病院消化器科 2昭和大学附属豊洲病院外科 3埼玉県立がんセンター腹部外科 4小島医院

ページ範囲:P.1623 - P.1628

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要旨 患者は40歳の女性.2001年1月ごろ便に血液が付着することに気付いた.5月に近医の注腸X線検査でS状結腸に病変を指摘され当院紹介となった.大腸内視鏡では25mm大のⅠp型のポリープで,陥凹局面を認めたためsm深部浸潤と診断し,腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行した.深達度はsm2で癌先進部は中分化型腺癌,リンパ管侵襲は陽性であったが静脈侵襲やリンパ節転移は陰性であった.術後に腫瘍マーカーの上昇を示し5か月後に単発の肝転移を認めた.大腸sm癌は転移の危険因子を検討する際に,浸潤量を表面型に則した絶対値や相対分類というパラメータを用いるため,表面型と同等の転移頻度である隆起型sm癌の特徴が不透明になる可能性がある.隆起型を別途に再検討することと,既存の病理組織学的所見に加え,分子生物学的な検討を蓄積することにより,内視鏡治療の拡大と追加腸切除症例の効果的な拾い上げが可能となるものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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