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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻12号

2002年11月発行

今月の主題 Ⅰp・Ⅰsp型大腸sm癌

主題症例

注腸X線,内視鏡検査で経過の追えた大腸sm癌の1例

著者: 津田純郎1 松井敏幸1 八尾恒良1 槙信一朗1 菊池陽介1 古川敬一2 岩下明徳3 有馬純孝4

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡市成人病センター 3福岡大学筑紫病院病理部 4福岡大学筑紫病院外科

ページ範囲:P.1629 - P.1635

文献概要

要旨 症例は65歳,男性.初回の注腸X線,内視鏡検査および生検では,盲腸に長径13mmの隆起型腺腫が診断されていた.33か月後の最終の注腸X線,内視鏡検査では,初回検査と同じ場所に長径19mmの2型進行癌類似の形態を示したsm massive癌が診断された.回盲部切除が施行された.病理組織学的には,大きさ16×14mm,2型進行癌類似型,深達度sm3の腺腫を伴う高分化腺癌と診断された.発育形式は,ほとんどの部分がnon-polypoid growth(NPG)typeであったが,粘膜内のごく一部に周囲よりも丈の高い腺腫を認め,polypoid growth(PG)typeと判定された.adenoma-carcinoma sequenceによる癌化の形態変化のみならずPG-typeからNPG-typeへ移行する過程も捉えられた病変と推察された.なお,注腸X線フイルム上の計測から計算された体積倍加時間は,20.2か月だった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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