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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻13号

2002年12月発行

文献概要

今月の主題 胃癌と鑑別を要する炎症性疾患 主題

隆起型胃癌と鑑別を要する非腫瘍性病変

著者: 細川治1 海崎泰治2 服部昌和1 道傳研司1 林裕之1 阿部慎哉3 長南明道4 笠原善郎5

所属機関: 1福井県立病院外科 2福井県立病院病理 3東北労災病院消化器科 4JR仙台病院消化器内視鏡センター 5福井県済生会病院外科

ページ範囲:P.1659 - P.1669

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要旨 内視鏡による胃癌拾い上げ検査は満足のいくものとはなっていない.1997年から2000年までに当施設で行った“拾い上げ目的”の胃内視鏡検査のうち13,717件に生検が付加され,そのうち内視鏡医が下した診断と生検診断が不一致であったものが427例認められた.胃癌拾い上げにおける内視鏡医の観察診断精度は,偽陰性率36.4%,陽性適中度48.6%,有効度96.8%と算出された.偽陽性例270例の内訳は陥凹型病変128例,微細病変105例,隆起型病変36例,びまん型病変1例であった.隆起型胃癌と鑑別を要する非腫瘍性病変として重要なものは,過形成性ポリープ,gastritis cystica polyposa,異所性胃粘膜,inflammatory fibroid polyp,疣状胃炎,食道胃接合部のpseudosarcomatous granulation,胃底腺ポリープなどが挙げられた.これらの病変の特徴を理解して,検査に臨む必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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