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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻13号

2002年12月発行

文献概要

今月の主題 胃癌と鑑別を要する炎症性疾患 主題

表面陥凹型胃癌と鑑別を要する炎症性疾患―内視鏡的鑑別を中心に

著者: 内田善仁1 鎌野周平2 香川俊行2 伊藤美奈子2 井上秀幸2 杵川文彦2 倉田博英2 小川宜直2 佐々原勝幸2 栗山茂樹2 松田和也3

所属機関: 1香川医科大学医学部附属病院総合診療部 2香川医科大学医学部附属病院第3内科 3松田内科医院

ページ範囲:P.1679 - P.1686

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要旨 表面陥凹型胃癌と鑑別を要する炎症性疾患としてびらん性胃炎,萎縮性胃炎および腸上皮化生を取り上げ,内視鏡所見からの鑑別点を中心に述べた.びらんを鑑別する際には,陥凹部→境界部→辺縁部と内側から外に向かって順序よく見ていくと所見を捉えやすい.そして,悪性びらんの所見が1つでもあれば生検を行うべきである.また,多発性びらんの場合は,形態や大きさが他のびらんと比べて著しく異なっていたり,繊襲上の配列から逸れているびらんは生検をしておくほうが無難である.当施設での診断能を検討したところ,内視鏡的に良性びらんと判断した746病変中9病変(1.2%)がGroup Ⅴであった.一方,内視鏡的にⅡc型早期癌と診断した39病変中3病変(7.7%)は良性病変であった.萎縮の起こっていない胃底腺領域内に,孤立性あるいは限局性に斑状の萎縮粘膜域が存在することがあり,未分化型癌との鑑別が必要である.腸上皮化生性粘膜が広範に拡がってくると,化生していない萎縮性粘膜の部分が浅い陥凹として映り,一見ⅡC型早期胃癌のような様相を示す.これが多発すると1つ1つを鑑別していくのは大変で,大きさや色調などが他の部分と比べて著しく異なっている部位を生検して対処せざるを得ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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