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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻13号

2002年12月発行

文献概要

今月の主題 胃癌と鑑別を要する炎症性疾患 主題

びまん浸潤型胃癌と鑑別を要する炎症性病変

著者: 浜田勉1 近藤健司1 阿部剛1 奥田圭二2 田中靖2 岩崎良三3 東馨4 八巻悟郎4

所属機関: 1社会保険中央総合病院内科 2社会保険中央総合病院放射線科 3順天堂大学消化器内科 4東京顕微鏡院健康医学センター

ページ範囲:P.1687 - P.1699

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要旨 びまん性変化を呈し,びまん浸潤型胃癌(スキルス)との鑑別を要する炎症性胃疾患について述べた.びまん性病変の基本的な捉え方と考え方は1.病変の部位と範囲を決め,2.病変を胃壁における場で分けて考え,すなわち主に粘膜面および粘膜下層の急性浮腫性変化であるびらん,小潰瘍,ひだの腫大と主に粘膜下層以深の線維性変化である胃壁の硬化(伸展不良,変形)に分けて所見の程度を判定し,3.この粘膜面の変化と胃壁の硬化の程度とを組み合わせて種々の疾患の鑑別を行うことである.胃壁の硬化は急性胃炎や特殊な感染症や帯状胃潰瘍で認められ,ひだの腫大は肥厚性胃炎が最も多く,急性胃炎やMénétrier病においても認められる.これらの所見はX線による二重造影像あるいは圧迫像で容易に捉えやすくびまん浸潤型胃癌と鑑別しやすい.急性病変では発症の仕方(急性発症した激痛や吐血など)や薬(NSAID,抗生物質など)の服薬歴,アルコールや食品(サバなど)の摂取歴も鑑別診断に役立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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