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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻13号

2002年12月発行

今月の主題 胃癌と鑑別を要する炎症性疾患

主題

病理学的に胃癌と鑑別する必要がある炎症性病変

著者: 八尾隆史1 大屋正文2 西山憲一1 田口健一3 中村俊彦1 小田義直1 恒吉正澄1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院形態機能病理 2飯塚病院中央検査科病理部 3国立病院九州がんセンター臨床検査科病理

ページ範囲:P.1715 - P.1723

文献概要

要旨 胃の良性の炎症性疾患のうち,組織学的に癌と類似した像を呈するため誤診する危険性があるものがある.日常の病理組織診断においては胃炎・消化性潰瘍に伴う幼弱な再生上皮や腸上皮化生で異型を呈するものが頻度は高いが,まれなものでは,①偽肉腫様細胞の出現,②ウイルス感染(サイトメガロウイルス),③EMR後の変性腺管,④部分的脾動脈塞栓術後の虚血性変化,⑤抗癌剤性胃炎,⑥Helicobacter胃炎(あるいはMALTリンパ腫)における印環細胞癌様細胞などがある.誤診を防ぐためには,このような病変で出現する異型細胞の特徴とその鑑別点を熟知しておく必要があるが,臨床診断と病理診断の乖離がある場合はお互いに討論することが最も重要なことであると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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