icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻13号

2002年12月発行

文献概要

--------------------

編集後記 フリーアクセス

著者: 浜田勉

所属機関:

ページ範囲:P.1758 - P.1758

文献購入ページに移動
 胃に異常所見をみた場合,常に癌を疑いながら形態を観察するのは診断学の常道である.そのとき,炎症性疾患だけではなく他の腫瘍性疾患も考慮に入れるのは当然だが,本号は特に炎症性疾患に限定し,胃癌との鑑別を狙いとして企画された.

 隆起,平坦陥凹,びまんの所見別に各疾患の形態的な特徴が多くの症例呈示でまとめられ,生検に頼るまいとする各執筆者の苦労が感じられる.ただ,陥凹病変において,日常的によく遭遇する胃潰瘍の,特に悪性サイクルにおける診断ポイントにも言及してほしかったし,生検の有用性について少し論じてもよかったのではないかと思う.一時期低迷した拡大観察法による鑑別が2つの論文で報告されているが,胃でも大腸のpit patternのような分類が果たして一般化されるか研究段階でとどまるか今後の展開をみたい.また,病理側から癌と誤診される可能性のある疾患が述べられ,臨床側はこのことを十分頭に入れて臨床診断に対応する必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら