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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻2号

2002年02月発行

今月の主題 4型大腸癌とその鑑別診断

主題

4型大腸癌の臨床病理学的特徴とX線・内視鏡診断―浸潤様式との関係を中心に

著者: 平川克哉1 飯田三雄2 松本主之3 山下和城4 角田司4 三上芳喜5 小林広幸6 渕上忠彦6 多田修治7 神尾多喜浩8 末兼浩史9 為近義夫9 八尾隆史10 福田敏郎11 春間賢1

所属機関: 1川崎医科大学消化器内科Ⅱ 2九州大学大学院病態機能内科学 3九州大学附属病院光学医療診療部 4川崎医科大学消化器外科 5川崎医科大学病理 6松山赤十字病院消化器科 7済生会熊本病院消化器科 8済生会熊本病院病理 9山口赤十字病院消化器科 10九州大学大学院形態機能内科学 11福岡赤十字病院病理

ページ範囲:P.152 - P.164

文献概要

要旨 4型大腸癌32例を対象とし,X線・内視鏡像を検討した.対象は組織学上の浸潤様式からlymphangiosis(LA)型24例,scirrhous(SC)型4例,muconodular(MN)型2例,inflammatory(IF)型2例に分類可能であった.X線検査では,27例中24例(88.9%)で病変の全体像を評価可能であった.しかし,内視鏡検査では28例中7例(25.0%)で病変の口側大腸を,11例(39.3%)で狭窄内部を観察できたにすぎなかった.X線上SC型とIF型でLA型とMN型よりも管腔狭小化が高度で,LA型では口側ないし肛門側の横走ひだと敷石像の陽性率が高かった.切除標本上の腫瘍長径はX線所見上の長径と有意に相関した(r=0.74,p<0.0001)が,LA型では両者が乖離する傾向を認めた(0.05<p<0.1).以上より,4型大腸癌ではX線所見から浸潤様式が推測可能であること,LA型では浸潤範囲を慎重に決定すべきことが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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