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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻2号

2002年02月発行

文献概要

今月の主題 4型大腸癌とその鑑別診断 主題

4型大腸癌と鑑別を要する疾患―腸間膜脂肪織炎とのX線所見上の鑑別

著者: 幸田隆彦1 松川正明1 山本栄篤1 平塚伸1 牛尾純1 宮本彰俊1 千葉俊哉1 遠藤済1 山本亘1 佐藤温1

所属機関: 1昭和大学附属豊洲病院消化器科

ページ範囲:P.185 - P.192

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要旨 4型大腸癌は,病理組織学的にlinitis plastica型胃癌様の進展をするもの(LP型)と,lymphangiosis様の進展をするもの(LA型)に分けられる.注腸X線所見では,粘膜面の凹凸が目立たないもの(平滑型)と,一見して目立つもの(凹凸不整型)に分けられる.自験例7例のうち,手術可能であった4例では,注腸X線で平滑型の2例はLP型であり,凹凸不整型の2例はLA型であった.腸間膜脂肪織炎の注腸X線像の特徴から,凹凸不整型4型大腸癌との鑑別が必要であるものと考えられた.凹凸不整型4型大腸癌の腸間膜脂肪織炎との鑑別点は,粘膜像では不均一な横ひだと不揃いで輪郭不整な顆粒状ないし結節状陰影であり,辺縁像では変形の程度が不均一であり角張った鋸歯状の伸展不良像であった.狭窄部に関しては,4型大腸癌で高度な傾向があったが,同部での鑑別は難しいものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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