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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻2号

2002年02月発行

文献概要

今月の主題 4型大腸癌とその鑑別診断 主題症例

下部直腸にびまん型浸潤を来した胃原発転移性大腸癌の1例

著者: 平賀聖久1 川元健二2 井野彰浩1 上田真信1 増田康治1 今村博孝3 八尾隆史4

所属機関: 1九州大学臨床放射線科学 2国立病院九州がんセンター放射線部・内視鏡部 3医療法人敬仁会友愛病院 4九州大学大学院医学研究院形態機能病理学

ページ範囲:P.205 - P.209

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要旨 症例は,39歳,女性.便秘・下痢・体重減少を主訴とし,近医を受診した.注腸X線にて,下部直腸(Ra~Rb portion)に全周性の狭窄および不整な結節状粘膜を認め,さらに上行結腸から脾彎曲部にかけては,多発する壁の伸展不良およびひだの収束像を認めた.上部消化管の検索にて,胃体上部から前庭部の全周を占める進行胃癌(4型,低分化腺癌)を認めたことから,胃原発の転移性大腸癌と考えられた.腹膜播種に伴う転移性大腸癌の罹患部位は,一般に腹膜反転部より口側であるが,自験例のごとくまれに肛側の下部直腸に及ぶことがあり,下部直腸の病変が発見の契機となりうることを認識しておくべきと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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