icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻2号

2002年02月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

食道炭粉沈着症の1例

著者: 上堂文也1 飯石浩康1 石原立1 楢原啓之1 上原宏之1 竜田正晴1 橋本勉2 真能正幸3 石黒信吾3 須藤洋昌4

所属機関: 1大阪府立成人病センター第3内科 2大阪府立成人病センター放射線診断科 3大阪府立成人病センター病理検査科 4須藤クリニック

ページ範囲:P.221 - P.226

文献購入ページに移動
要旨 患者は,62歳,女性.主婦.喫煙,飲酒歴なし.1999年末より,嚥下時違和感を自覚.翌年2月,近医で消化管造影と内視鏡検査を受け,中部食道に病変を指摘された.3月当科を紹介受診.血沈が亢進.食道造影で頂部に陥凹を有する2cm大の長円形の隆起性病変.食道内視鏡では黒色調の粘膜下腫瘍.超音波内視鏡検査では第1層から第5層を貫く,1.5cm大の境界不明瞭な低エコーが壁外のリンパ節と連珠状に連なっていた.胸部CTでは傍気管リンパ節が腫大し,食道壁と境界不明瞭.内視鏡下生検では上皮下に肉芽腫,線維化,リンパ球浸潤と炭紛を貪食した組織球を認め,食道炭粉沈着症と診断された.食道の黒色調を呈する粘膜下腫瘍の1つとして念頭に置くべき疾患であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?