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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻3号

2002年02月発行

特集 消化管感染症2002

総論

9.炎症性腸疾患(CD・UC)との鑑別を要する腸管感染症

著者: 平田一郎1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.321 - P.330

文献概要

要旨 IBD(UC,CD)と鑑別を要する感染性腸炎は慢性型(腸結核,アメーバ性大腸炎)と急性型(細菌性赤痢,キャンピロバクター腸炎,サルモネラ腸炎,病原性大腸菌腸炎,エルシニア腸炎)に分けられる.IBDとこれら腸炎との鑑別ポイントを下記に述べる.腸結核では輪状傾向の潰瘍,瘢痕萎縮帯所見,非乾酪性であっても大型で融合性の肉芽腫をどこかの部位に認める(CDとの鑑別).アメーバ性大腸炎では潰瘍のたこいぼ様形状や介在粘膜の血管透見像をどこかの部位に認める(UCとの鑑別).キャンピロバクター腸炎ではBauhin弁上の潰瘍を高率に認める(UCとの鑑別).サルモネラ腸炎では直腸が健常の場合が多い(UCとの鑑別).エルシニア腸炎では通常,縦走潰瘍の形成はない(CDとの鑑別).腸管出血性大腸菌腸炎では腺管の融解や変性壊死を高率に認める(UCとの鑑別).IBDと感染性腸炎の鑑別は,上述の肉眼形態像のみならず病歴,検査所見,血清学的検査,糞便・腸内容物・腸粘膜組織の病原体検査,臨床経過なども加味して行うことが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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